平成30年1月に税務署側における、比国側の居住親族各員を扶養控除対象者として取り込んで行う、平成28年以降の確定申告時の審査基準が変更されました。重要な変更点は以下のとおりです。

 

送金者が「奥様」名義である場合には、送金をした相手方（比国側の居住親族）を扶養控除対象者として取り込むことができません。即ち、送金者が確定申告者である「ご主人」名義であり、且つ「個別に海外送金を仕向けた比国側に居住する16歳以上の親族」だけを取り込むことが可能になりました。但し、送金額に関する金額の基準はありません。「ご主人」名義で行った必要資金の送金が条件ということです。この審査基準は、遡って平成28年以降の確定申告時から適用されます。

 

よって、今以降の比国側の居住親族に仕向ける生活費の海外送金は、確実に「ご主人名義」で資金決済に関する法律第2条第3項による登録資金移動業者（LBC REMIT EXPRESS, SBI, Western Union, 7 BANK, Speed Money Transfer, JRF, I-Remit他）に登録をしたうえで行うことを強く進言します。

 

登録資金移動業者の選定は、各々がインターネット検索をして、使い易いと思われる業者を任意

に選択してください。上記の全ての登録資金移動業者は後日、送金疎明資料の発行に応じます。

 

また、登録資金移動業者を利用する場合は、比国側における送金相手先の方が銀行口座を開設していない場合であっても、以下の手段で日本から送金された金額を受け取ることが可能です。

（比国では、口座維持管理費用等の事情から現在でも80%程度の方々は銀行に口座がありません）

 

日本から送金された生活資金を受け取る側である比国側の居住親族は、比国独特の文化的、経済的な仕組みにより、比国内の全土に約16,000店が点在している、海外から送金された現金の手渡し業務を行っている、質屋「ポーンショップ／Pawn Shop」を利用することが一般的です。

 

一例ですが、登録資金移動業者を利用して日本側から比国側の居住親族（送金相手先）に海外送金を行った場合には送金実行の都度、登録資金移動業者側から事前に登録をしたメールアドレス宛或いはSMS（ショート・メッセージ・サービス）等で「受付番号／PIN No.」が自動送信されますので、その番号を比国側の送金相手先に伝えます。

 

そして比国側の送金相手先は、最寄りの質屋「ポーンショップ／Pawn Shop」に赴き、窓口で公的身分証明書を示して「受付番号／PIN No」を告げることによって、フィリピンペソで現金を受け取れます。

 

このように簡単な流れで銀行口座を開設していない方への海外送金と受領が完結する仕組みです。

 

登録資金移動業者の利用開始時には、比国側の送金相手先名等に関する事前登録が必要です。但し、事前登録の方法は登録資金移動業者の基準により異なります。個別に確認をしてください。これは、将来的な国税と住民税の還付及び減額という経済的利益に直結する重要事項です。

 

（比国の質屋「ポーンショップ／Pawn Shop」は、一般的な比国人の方々の日常生活に深く密着をした庶民の金融機関です。日本の「質屋」とは、そのイメージ、成り立ち及び形態が大きく異なります）

 

また、登録資金移動業者からは比国側の銀行口座に仕向けて海外送金を行うことも勿論可能です。

ご不明点及び登録に関する詳細は、各自が選定した登録資金移動業者にお問合せください。